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第二十一話 美女と花粉 

評価:A-

 最近見る機会がなかったのでビデオに録ったモンを纏め見してみたのですが、巷の噂に違わず、この回辺りからは秀逸作品揃いです。
 
 (以下内容)
 久々に時間に余裕ができたということで牧は的矢所長を呼び出そうとするが、所長はノムと新宿の将棋センターに赴くとのこと。研究熱心な三沢も何処かへ出かけたということで仕方なく(?)牧はさおりとぶらつくことにする。。。
 
 う~ん,何処かで聞いた事がある曲だ・・・
 そうだ。『三百六十五歩のマーチ』だ。ここらへんでも当時の世相を感じさせられる。すれ違う人々が、今とは明らかに格好が違う。
 そして、とある喫茶店に入って御汁粉(当時は普通に置いてあったのか?)を飲むのかと思いきや否や・・・

 何たるグロテスク
 しかも目を見開いた儘、オープニングメロディーが流れ始めている。今じゃこんな描写、絶対あり得ません。

 かくしてお決まりの捜査が開始される。犯人が現場に残していったものは水と御絞り。その内、水はマスターが自ら飲み干してしまう。仕方なく牧らは御絞りを所に持って帰ってくることにした。
 迂闊にも御絞りに触れようとするノムに対して牧が「素手で触っちゃいかん!」と一喝。・・・しながらも、三沢に対しては顔の近くにまで御絞りを持っていく。果たして仲が悪かったかな、彼等は?
 
 そんなこんなをしている間に、又もや犠牲者が出てしまう。しかも今回は男性であるとの事。何とも高級官僚だか何だからしいが、マニキュアと口紅を付けているようだ。そんな男性達の内の一人が一言。
 ―――今や男性も化粧をする時代ですよ。マニキュアぐらい常識でしょ。
 そうでしたか。どうもこれは大変お見逸れ致しました。。。
 でも、如何しても男性が一時とは雖も化粧をしていたとは思えない。本当にコレが嘗ての常識だったのだろうか。まあでも今も男性が美容院に足繁く通っている状況等があることを考えれば強ち本当ではないとは言い切れないかもしれない。

 
 結局、色んなことがあって犯人は大山という女性であることに行き着きます。何とも殺人道具として用いた恐怖の御絞りは、とある熱帯植物の花粉とアルコールとを反応させて拵えたとの事。動機は自分(大山)の美しさを妬んだ若い女が硫酸を浴びせかけ火傷を負ったことへの怨恨から。
 
 自分だけがこんな辛い想いをしているのに何で他の若い女は幸せそうにしていられるのか―――
 
 確かに、「復讐」にしては余りにも大雑把で無差別的であったことからも度が過ぎていたという点については否み切れません。しかし、このような彼女の心情は、「美」というものを意識する人にとっては(それは男性をも含めて)少なからず同じような状況に立たされたなら、正に自らの「死」に等しいダメージを受けてしまうものなのではないでしょうか?そういうことを考えたら、同情できなくもないと考えてしまうところに恐ろしさがあります。
 
 美しく健康な肉体なんて迂闊に言っちゃいけないんだな―――
 美しいことは、美しい観念は、必ずその裏側に残酷な何かを持っているからね―――

 「美」とは一体何か?自分で意識するものか?それとも他人から付与されるものなのか?今回は大山自らが「自分の美しさを妬んだ若い女が…」と語っていることからも、多少自分から意識した面もあったのでしょうが、にしても体に火傷を負っただけで結婚ができなくなってしまうとは・・・。世の中、意識せずとも必ず何処かで「美」に振り回されているものなのだなと感ぜざるを得ません。

 今回は話の流れも分かりやすく、面白かったので評価は合格ラインの「A」とさせてもらいます。御絞りに花粉を忍ばすという手口もなかなか好かったですしね。

 そういえば、最後の大山が自殺する場面、顔を付けた部分から侵食せずに如何して内側から侵食しているんでしょう?まあ、そこら辺は目を瞑るとしても、そんな危険な花を事務所まで態々持ってきたことについてはもっと尚更意味が分かりません。運んでくる途中に一寸傾けただけでも大惨事です。
 しかもエンディングを見る限り、恐らく長時間シャッターを開けっぱにしてたのでしょうが、ぶんぶん花弁が動き捲っているじゃないですか!!危険極まりない!!!
 (2006年07月10日00時49分37秒記す)
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[2006/07/10 00:49] 怪奇大作戦 | TB(0) | CM(0)

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