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地下鉄に乗って 

(c)2006 METRO ASSOCIATES 121分

評価:B

 懲りもせず、またも新カテゴリーを拵えてしまいました。

 しかも、今回は「映画」とだけあって、益々本人の主観に左右されるところが多いので、世間でいうところとの評判が余りにも乖離し過ぎることがないかな~、ってちょっと心配になっています。

 兔にも角にも、今回は初回とだけあって、評価は「B」を付けさせてもらいます。今後も良作が出され行くことを期待して。


 さて、肝心の内容ですが、話は至って単純(?)。

 ある日、父の見舞いにも行かない息子が地下鉄で帰る途中、死んだ筈の兄の姿を追い続ける。そして、兄の姿を追う内にいつの間にかタイムスリップしてしまったというお話です。

 兄の死んだ原因が父との物言いだったことから、父を怨み続けた主人公。でも、色々とタイムスリップを重ねていく度に真の父の姿を目の当たりにしてしまいます(ここら辺が曖昧だとか、地下鉄関係ないじゃんっていう突っ込みはあるでしょうが、敢えて目を瞑らさせてもらいます)。

 自分の生まれた時はどんな父だったのか。果ては自分が生まれる前はどんな父だったのか。タイムスリップ系ではありがち(?)な話でしょうが、最初から全てを悟らせないストーリー展開(当たり前ですが)はなかなか面白かったと思います。

 ・・・にしても、結局自分の兄が死ぬと分かっているのに止められないという「タイムスリップで歴史は変えられない」ことを堅持したかと思えば、愛人である「みちこ」が母の夢を叶えられないことを知り、突然「自分殺し」をしてしまうという展開には、「変わらない」という前提があると思っていただけにちょっと衝撃的でした(まあココら辺も厳密に言えばタイムスリップによる「自分殺し」はできないことになるのは以前言及した通りですが、そこのところも少し置いておきましょう)。しかし、彼女の選択が本当に正しかったのかどうか・・・(勿論、主人公とは同じ父親同士ですから「結ばれない愛」だったのには違いありませんが)。

 始めは単なる今流行りの団塊世代向け(?)の懐古趣味かな~って思ったりもしてたんですが、話の筋はキチンとしていたので寧ろ「昔」が良い按配で生かされていた気がします。ただ、折角タイトルが『地下鉄に乗って』なので、もうちょっと「地下鉄」が生かされても良かったかなとは思います(ココらへん、原作がどうなってるのかは気になるところではありますね)。

 それと、最初に出てきた兄は父の死を目前に控えた主人公に「真の父の姿」を見せたかったんでしょうね。そう考えると、走れど走れど追いつかなかったあの兄の姿は、ちと不気味な様にも思えますが。

 それにしても、本作は「出来すぎ」の感はありますが、確かに自分が生まれた時、周囲の人の様子はどうだったのかというところは是非とも見てみたい1シーンではあります。タイムマシンができたなら、真っ先にそこから見始めるのかな?幾ら歴史上の大きな出来事であったって、これに如くものはないだろうと思います(飽くまでも「多分」としか言い様のないものではありますが)。

 後は、敢えて希望を申し上げますならば、“遡及的に”流産になったとは言え「みちこ」さんのお墓もチラッとでもお参り行くシーンがあれば尚一層良かったかな、と思います。

 まあ、感想としてはこんなとこかな。

 
 ・・・ん?待てよ。確か主人公の兄貴が死んだのが1964年の10月5日午後11時半過ぎ新中野駅出口附近で、姓が「小沼」だったよな。という事は、若しかして、この1,2日後の新聞の地方欄を見たら名前が載っていたりして・・・

 (2006年10月03日01時35分45秒記す)
 P.S.今の仕様もない洋画に比べれば、まだまだ十把一絡げに邦画が劣るなんてことありません!
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[2006/10/03 01:35] ポケットシネマ | TB(0) | CM(0)

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