評価:B 娘が暗がりな部屋の中で電話に出る…
…と、その父親宛ての電話―――そして父親が交代する
「何だ、貴様か。」
軈て警告音(?)が鳴り・・・
燃えた・・・ 如何斯うして、何時もこの作品の始まりは刺激が強いのか・・・
同時に近くに居た娘も気絶してしまう―――
そういえば、この女の人、何処かで見た事があるな・・・
―――そう、この人こそガマクジラの回にイデ隊員に“豚に真珠”と揶揄されてしまったフジ隊員こと桜井浩子さん、その人である。
今回は気絶キャラを一貫しているが、正直
まるで別人である。余りの違いぶりに、エンディングを見るまで確信を得られなかった・・・。
続いて父の足取りを聞くためだったか、娘はその父の友人を訪ね、歩いていたのだが、たばこ屋で電話を借りた瞬間・・・
また燃えた・・・ しかも今回は黒焦げになるところまで描写されている。
さぞ普通の映像であるかの如く・・・
結局、これを受けて本格的な調査に乗り出すのであるが、原因は超音波を電話の音声の増幅器(受話器)を通じて熱線と化すことに因るとの推測がされた。
しかし、これの確証を得る迄の過程が今回は見事に描かれていると言える。
三沢が牧の調査方法を批判するや、それによる牧の鬱積した感情を直に言葉には露わにしないものの、他の言動を通じてリアルに描かれているし,たばこ屋の婆さんの二進も三進も行かない様な応答に「耳の遠い人でも聞こえる音か…」と、確かに一つの結論をこじ付け(?)でも導き出しているところには巧いとしか言い様がない。
然し、あの婆さん,取調べを受ける時の言葉は一言一句漏らさず聞いていたように思われるのに、肝心な奇怪な音となると聞いていなかったなんてことは到底・・・。まぁ、だからこそ、牧がこれが超音波であるとの推論をなす事が出来たんだろうとも思われますが(笑)。
話が進むに連れて、犯人は小笠原諸島返還に伴い(1968年)、戦時中、同島(従兄弟島だったか?)に隠していた宝石の類を独り占めにする為に戦友を次々と殺害したことが明らかになります。特に、このストーリー展開自体は戦争の悲惨さといったものとは直接的には関係が無く、まぁ今でもそういった背景があれば起こり得そうな犯罪であるとも言えそうですが、取り立てて言えばセブンとジャックの間に放送された所謂“子供向け番組”であるにも拘わらず、「小笠原諸島返還」や「戦争」といった当時の社会的事情をふんだんに取り入れているといった事でしょうか。後の回にも「黒い霧」といった言葉を出している時もありますしね。
後は、途中の電話回線を調べる時の機械の動力音で喧しくなっている中でも、緊迫した空気が流れている様子を描いているところも好かったですね。全員が汗と脂塗れの顔になりながら、犯人からの電話を待っている場面なども今のドラマとかでも余り見られませんもんね。。。
ラストは「第二話 人喰い蛾」と同じ様に警察に追われる中、運転を誤り、ブロック塀に激突・炎上して終わるという「自業自得」的な最期を遂げます。
でも、あれだけ早く着いたんなら、直ぐに諦めるんじゃなく(と言うより、最早「助からない」事を前提とした雰囲気でしたが)、もう一寸救助するのに中の様子を見ようとするなり努力しとけよ―――
まぁ、夜も明けてましたし、時間的には相当経っていたのかも知れませんが・・・
今回の話は「電話」という日常有り触れ、かつ必需品でもあるものを利用しての犯罪でした。
確かに「電話を通じて超音波を熱線に変える」など技術的には不可能に近いものであったかも知れません。
しかし、「電話」という普段普通に接しているものでの犯罪であった点では斬新な手法であり、些か衝撃的で恐怖を覚えるものであったのではないでしょうか。。。
ところで、今の携帯社会でもこんなことできるんかな?第一、導線たるものは現在では存在してませんし。。。
「誰も電話にでんわ」なんてことには・・・(スミマセン) (2006年03月09日00時42分33秒記す)
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