1936 アルフレッド・ヒッチコック監督 制作国:英 75分58秒
評価:B+ 最近著作権の保護から外れた(??)せいか、何かモノクロの映画が巷に激安の値段で売られているのをよく目にします。
んでもって、時期を同じくして(?)某動画でもこれら過去のシリーズを取り上げているようなので、早速見ないわけはないということで短そうなものを適当に一つ選んで見てみました。
なんと言うか、救いようがあるといっちゃ~あるんでしょうか。結構ブラックな話です。最後のシーンがなければ、恐らくその後一日中沈み込んでいたと思います。
話の筋は・・・サスペンス系らしく最初こそ何の事やらさっぱり分からないシーンも多かったのですが、話が進むにつれ事の次第が明らかとなっていたので「飽きさせない」という意味では良かったと思います。
途中、スティービーが持った爆弾がバスを爆破してしまうシーンはかなり生々しく、一番見入ってしまう場面かもしれません。ヴァーロックがスティービーに早く届けろと怒鳴りつけていたのもよく分かります。でも、そんな時に限って不運に見舞われるものなんですよね、実際。スティービーだって中身がよもや爆弾だなんて知る由もないわけですから、大きく遅刻したって後でこっぴどく怒られる程度だと思い込んでいたことでしょう。そう思うとますます無念・・・。
その後もその後で、何気なく裏の仕事に手を染めてしまう際の悲惨さというものが表れています。特にヴァーロック夫人が市中の子供をスティービーと見紛ってしまうといった場面はその虚しさが犇々と伝わってきます。それに、ディズニーの本来は楽しいはずの映画もあんな惨事に繋がってしまうとは・・・
ところでこの「サボタージュ」という題名、俗に言う「サボる」場面は何処にも出てきやしないかと思ってましたが、『広辞苑』でちょっと調べてみると20世紀初めに労働者がサボ(木靴)で機械を破壊したことに由来するそうです。20世紀初め・・・つまりこの映画が作られていた当時では、「怠業する」という意味よりも「破壊する」という意味の方が強かったのだろうと思います。そう考えれば何となく分かる気がするな・・・
全体的には、これが欧米の映画なのかと思わせるほど実に短時間の間に作品の鍵となる言葉やユーモアが取り込まれています。正に「名作」の名を語るに相応しい作品です。拙者、恥ずかしながら「ヒッチコック」監督の作品は今まで鑑賞したことがなかったのですが
、初めてその偉大さを少しばかりか感じ取ることができたと思います。
評価は・・・未だ本格的に他の作品を見ていないということもあり、「A」でも良かったのですが、今後も更にコレを上回る作品をお目にかけることを期待しつつ上のようにさせていただきました。
(2006年11月21日00時53分14秒記す)
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