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白い恐怖 

1941 イングリッド・バーグマン,グレゴリー・ペック主演 アルフレッド・ヒッチコック監督 制作国:米 111分11秒

評価:A

 続けざまにヒッチコック作品を視聴しています。何でだか時間的に手頃な作品が多いんですよ。

 本作品は心理療法を行う女医コンスタンスの元に、所長としてエドワーズがやって来るところから始まります。彼の著書の偉大さや容姿からすっかりその虜となってしまうコンスタンス。これから彼と一緒に働けるんだ。・・・が、食事中,患者の治療中の彼の言動等から如何やら彼が医者であるかが疑わしい。そこで、彼を知る人物に連絡を取ってみると案の定、彼はエドワーズ本人ではないという。

 「なんのこっちゃ?」と思われるかもしれませんが、つまりは「エドワーズを殺した犯人」が「エドワーズ」に成りすまして病院にやって来ているのではとの疑いをかけられたということです。しかも、その犯人と思わしき当人は記憶喪失。これでは自分が犯人ではないとの主張をすることができません。それどころか当人は罪責感まで抱いているというのですから、事態は相当複雑,困難です。

 しかし飽くまでも彼は殺人を犯していないと信じ続けるコンスタンス。そう、正に彼女の「直感」からのみきっかけとして根気強い心理療法が行われていくのです。。。

 あらすじを語るのに終始してしまいましたが、本作品の見所はやはり何と言っても、「情感」が「冷静な分析による現実」に勝った点にあるでしょう。確かに「医者」という職業柄、患者を平等に扱わなければならないという使命はありますが、医者と雖も「人の子は人の子」,その使命や犯人蔵匿を冒してまでも1人の人間を守り通す姿には「愛情」の強さ・深さみたものを感ぜざるを得ません。彼のみならず彼女自身もまた「命がけの治療」だったわけです。

 今回のコンスタンスの「直感」のみが解決を導いたという点は、私としては一寸無理がある展開のようにも思われましたが、しかしだからこそ作品全体の「稀有さ故の美しさ」を引き出していたのも事実でしょう。いや、それどころか現代で直面する問題というのはこれ(直感)しか頼りにならないことも儘あるとさえ言い得るのでしょうか?
 あと、最後まで飽きさせない謎解き,一応は前に出されていた事実(夢)から解決へと導く展開も良かったと思います。
 (2006年12月09日21時45分08秒記す)
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[2006/12/09 21:45] ポケットシネマ | TB(0) | CM(0)

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