評価:AA お!出だしから甲冑姿の武士が続々。
これは期待できそうだ―――
原因は「戦国時代の“侍”(?)」によるものであるとされた。
亡霊騒ぎ且つ管轄外とのことで町田警部が出ない代わりに三沢が現地へと赴く。。。
う~む、汽車か・・・。
当時は普通に走っていたのだろうか。時代を感じさせる。
何ともオニの村では嘗て400年前織田軍に敗れた落ち武者が逃れてきた際に村人が追剥をしたことから「祟り」が前々から噂されているとのことであった。
と同時に、外国の大資本であるデトロイトモーターズが自動車工場建設に際し、該村に高速道路を通すとの事で村の年寄り達を中心とする反対派との対立も表面化している実情も明らかとなる。
了解。―――
「了解。格好良いなー!」
何か前作の流れを汲んでいるのか、又もや「子供向け」の作品である臭いがぷんぷんする。
確かに当村に高速道路を通すだけで数千人の雇用,数十億円の流入,更には人口20万人突破による市への昇格へと「棚から牡丹餅」とも言える事情によって、全てが良い事尽くめである。高度経済成長期にあった当時の背景を実によく反映している。しかし・・・
やがて余りにも亡霊が見え過ぎて不自然だとの事で、先ずはS.R.I.が調査に乗り出す。
そして、此処でのS.R.I.と警察との遣り取りは必見である。
科学的な推論を組み立てていくS.R.I.に、ただ只管に「ナルホド」と感心しっ放しの警察。これに対して、次の瞬間「コレは何ですか?」と子供でも知っている山羊の糞を取り出す牧。幾ら科学的知識に長けている牧を始めとするS.R.I.でも山羊の糞でも「エェッ!」と大驚きする有様。「ナルホド~」。ここら辺でも何か、どんなに優れた科学者であっても意外なことに無知であるという実際を思い知らされる様な感じがする。
続く場面でも「犯罪があると思料する」時でないと正式に捜査に乗り出す事ができないという不甲斐ない警察に対し、「どうぞ」と言い合う場面でも明らかにS.R.I.が警察を見下している現状が見て取れる。そう言えば前々からS.R.I.と警察とは敵対関係にある様な台詞が屡々見受けられたからなぁ・・・。
捜査は困難を極めるかと思われた次の瞬間、あの“亡霊”が再び霧の中から現れる。しかも今回は毒ガス入りで。
毒ガスに苦しめられる三沢・・・。でもこの場面、とっても不自然である。何故ならば、実際に検挙された筈の生身の老人達がマスク無しに毒ガスの中を平気に動き回っているではないか!!しかも、孫である筈のケンイチ君が何度も殺されそうになっている!という事は、あの中に本当に亡霊も混じっていたのだろうか・・・!?
結局、犯人も全員検挙。これで全てが解決した。
そして三沢とケンイチが別れる。
「さようなら!」
さよ~なら~,さよ~なら~・・・
さ~て、今回もCかな・・・ と思った矢先・・・
何!?
水鉄砲・・・,いや
鉄砲水だと!! “寝耳に水”である
こんな展開、今まであっただろうか。
どう考えても、それまでの状況からこんな展開になるだろうなんて予想だにできない。
―――そうか・・・。
後々になって、それまでの村の“平和”な描写がありありと想起されてくる。
山をあんなに崩したら、今に山が怒るよ―――
このケンイチ君の言葉の意味も全てを見渡して初めて重みを増してくる。「平和」・「平穏」というものは、崩されてから初めてその有難みを知ることができるものなのかもしれない―――
織田軍に敗れた落ち武者と“鉄砲”水という点も何か関係しているのであろうか・・・。
これこそ、高速道路建設に向けて賛成の色を示していた村人に対しての「祟り」によって引き起こされたものであるといっても過言ではないだろう。
たったこの一事だけでも、評価をがらりと変えてしまうまでの実に深く、興味深い表現方法であった。そう、正にこの数分間で一気に評価が昇華してしまったのである。
果たして、「都市化」が本当にメリットや幸せだけを齎すものなのであろうか―――
このような問いかけを消え行く地方の風景との対比を通じて上手く描かれていた作品であった。
(2006年04月03日01時55分39秒記す)
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